「日本全体が幸福になるイノベーションエコシステムをつくりたい- Director Enterprise Group 山中 良太-」
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「日本全体が幸福になるイノベーションエコシステムをつくりたい- Director Enterprise Group 山中 良太-」

SAMURAI INCUBATE 公式note

「日本全体が幸福になるイノベーションエコシステムをつくりたい」そう語るのは、Directer Enterprise Group の山中良太さん。

スタートアップ×企業のイノベーション創出支援に加え、自治体・大学・研究機関・地域を巻き込んだイノベーションエコシステム形成・強化事業を牽引する。

「自我作古」を自らのビジョンに掲げ、自ら道を切り拓いていく。今回は、そんな彼の原点となる過去を振り返りながら、現在の彼が目指すビジョン、仕事観について語ってもらいました。

Director Enterprise Group
山中良太
慶應義塾大学卒。外資コンサルファームにて大手企業のDX戦略策定やスタートアップとの協働による新規事業開発を多数リード。2020年9月にサムライインキュベートに参画。スタートアップ×企業のイノベーション創出支援に加え、自治体・大学・研究機関を巻き込んだ地域のイノベーションエコシステム形成・強化事業をリード。リアルとデジタルが融合する昨今のイノベーショントレンドを踏まえ、東京の都市型エコシステム、新たな地方型エコシステムの創出を目指し広島県や仙台市のプロジェクトを推進。


自分たちも企業も互いにリスクを取ってイノベーションを目指す、それがサムライの魅力

ー  入社までの経歴、入社のきっかけについて教えてください。

新卒では、海外で働くことが約束されていた海運会社に入社をしました。というのも、新しいことに関して不寛容な日本社会へ、漠然とした閉そく感を幼い頃から感じていて、いつかは海外で働こうと決めていたからです。

そして研修で訪れたマレーシアで、「坂の上の雲」のような世界観の経済成長のリアルを目の当たりにしたことを切っ掛けに東南アジアでのビジネスに興味を持つことになりました。現地で働く足掛かりを得るべく、ネットワーク作りも兼ねてタイのMBAで経営を学ぶことにしました。

タイでの学生生活は非常に楽しかったですね。笑

帰国後は、デロイトに入社し東南アジアへの出向スキームにてインドネシアで約2年働きました。

インドネシアでは日系大手自動車メーカーの政府渉外プロジェクトを中心に携わり、本社役員や現地法人社長のためにインドネシア大統領をはじめとした様々な政府・経済界の要人への議論ペーパーを作るエキサイティングな日々に恵まれました。

作成した資料が当時安倍首相へのブリーフィング資料に使われ、そのまま日経新聞の夕刊の一面に載ったこともありました。自分のやっている仕事の大きさに驚くと共に、自分の作る成果物が持つインパクトの大きさを感じることになったエピソードです。

海外プロジェクトにはやりがいを感じていたものの、先進国ならではの新しい分野を開拓していく最先端の仕事に携わりたいという想いを強くしたため、日本に帰国しました。

帰国後は、同じく大手自動車メーカーにて中国事業の中期経営計画やコネクティッド戦略作りに携わり、大企業の戦略転換を目の当たりにするプロジェクトに恵まれました。特にコネクティッド戦略では、経営の意思決定で中国での事業展開が先送りにされることが決まっており、最初から前途多難なプロジェクトでした。

プロジェクトチームはクライアントの課長さんと私だけの2人だけでしたが、「やるか、やらないか」という熱い想いのもと、本社・中国事業体の中の関連部署を横断した地道な理解活動を粘り強くやることで、事業展開時期の大幅な前倒しに成功したことが私にとって大きな転換点となりました。

グローバルでの最先端に触れる機会の多かったアクセンチュア時代

中国の最先端のコネクティッド事情に触れたことで、よりデジタルに比重を置いた世界に飛び込みたいとアクセンチュアに転職しました。アクセンチュアでは、自動車業界から一旦離れ軽い産業から重たい産業まで幅広くデジタルトランスフォーメーションの戦略プロジェクトに携わりました。

シニアマネジャーに昇格後は自由闊達な社風もあって、海外マーケティングのSaaSビジネスを立ち上げる等、アクセンチュアでも新しい事業にチャレンジしつつありましたが、残念ながらコロナ禍の影響でストップしてしまいました。

事業を生み出す楽しさを覚え、今までの戦略作り等の仕事内容に物足りなさを感じていた時、ヘッドハンティングをきっかけにサムライインキュベートに出会いました。社内メンバーと日本企業のイノベーションの課題について意見交換をする中で、

「ここでなら自分がこれまで課題だと感じていたことにチャレンジできる」という思いを抱き入社を決意しました。これまでの経験を通じ、今の自分なら日本の閉そく感を打破できる、その役割を担えるという自信もありました。

私が日本で最も課題に感じているのは、「特に日本の大手企業は未来志向でリスクを取ってでもイノベーションを進めるオーナーシップ、リーダーシップが弱い」ということです。

だからこそ、サムライインキュベートの「自分たちも大手企業もお互いにリスクを取ってイノベーションを起こしていく」というスタンスに惹かれました。それは今もサムライの魅力だと感じています。

私自身も「自我作古」の考え方を大切にしており、前例がないものに対して自分が先陣となり切り拓いていきたいと思っています。


ビジョンは日本全体が幸福になるイノベーションの構築

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広島県庁主催のメディア交流会で新設した竹原拠点について説明


ー 1年間の仕事を通し見えたビジョン、日本のイノベーションの課題について教えてください。

1年間で手掛けてきたのは、主に東京・地方を結ぶイノベーション創出支援です。特に広島県はスタートアップ×企業のイノベーション創出支援に加え、自治体・地域を巻き込んだイノベーションに力を入れて様々なプロジェクトを実施しています。

私自身も事業創出プロジェクトを通じ、地方の都市に留まらず日本全体が幸福になるイノベーションを構築したいというビジョンが明確になりました。

一方で、行政が行うイノベーションの新たな課題も感じています。行政がこれまで行ってきたのは、ボトムアップ支援という意図が強く、イノベーションに対する関心がまだ薄い層(イノベーター理論でいうところのアーリーマジョリティ以降の層)に多くの予算や時間などのリソースを割いていました。

つまりリソースを、本来最優先で注ぐべき場所であるイノベーター層に注げていないということです。

イノベーションを起こしていくには、約2割のイノベーター層・アーリーアダプター層にリソースを注いで、より先鋭化していくことで他の8割を牽引していく必要があると考えています。

イノベーターに先陣を切ってもらい、その後に多くの人々が続くという形です。そして、地方・東京の垣根を超えて日本全体がイノベーションを起こすことで、国際競争力を高めることができると考えています。

ー イノベーションを起こす上でサムライインキュベートの役割とはどのようなものでしょうか?

先鋭的なものを更に特化させ、2割のイノベーターに注力しより良い方向に導くために、産官学民を繋ぎ、事業創出を伴走支援でリードしていくことだと考えています。

東京都や広島県では、私たちの考えに賛同していただき、イノベーションを起こしていくエコシステム作りが着実に進んでいると実感しています。


イノベーションの媒介者として、都市同士のパートナーシップを生み出し、その架け橋となる存在に

サムライインキュベート主催の東京都5G事業記者発表会。大手企業の街中実装パートナー登壇


ー 山中さんが構想するイノベーションエコシステムについて教えてください。

それぞれの地方が地域で抱える社会課題を踏まえ、全国・世界に通用する「ソリューション」としてそれぞれの「特産品」を作り、それを全国へと届けていくようなイメージです。

今の日本では東京・大阪・福岡のような大都市が国際的な玄関口として、海外へのマーケティングのハブ的な役割を果たしていると思います。

大都市に向かって地方がSDGsや社会課題解決のソリューションを発信し、それを受けた大都市が海外との窓口になり、世界全体の社会課題解決に繋げていく、そういうエコシステムを作りたいと考えています。 


ー イノベーションエコシステムについて、大都市と地方での役割の違いはありますか?

これからディープテック時代が進んでいく中で、これまでの東京中心の開発から地方が開発の中心になっていくと考えています。

ディープテックはデジタルとリアルの融合です。インフラもハードウェアも大きく作り直していく必要が出てきており、エコシステムも大きな転換点を迎えています。

自動運転を例にするとわかりやすいのですが、いきなり人通りの多い都会で自動運転技術を試すのは非現実的でした。地方ではリスクを管理しながらソフトとハード一体の技術を磨ける場が存在するため、開発は郊外からスタートしました。

また、地方では大都市に比べて高齢者や交通弱者が多く、社会課題になっています。高齢化に加えて、交通インフラも弱いので移動の利便性が悪いのです。自動運転はそうした地方の課題解決に役立つはずです。

地方で自動運転の開発を行い、その結果は大都市にフィードバックされます。これまで行っていた事業の開発部分を地方にシフトすることで、課題解決にも貢献できると考えています。


ー 東京などの都市と地方のエコシステム形成に、サムライインキュベートはどういう役割を発揮できると思いますか?

私達はイノベーションの媒介者として、エコシステムとして都市同士が共創し合うパートナーシップを生み出していき、その架け橋となる存在でありたいと思っています。

新たなパートナーシップは別の地方へ横展開できると考えており、私達はそれをブリッジしていく役目があると思っています。

この好循環が国内でエコシステムとして成立し、エコシステムがさらに海外にも波及していくというサイクルを生み出すことができます。

私達は地方のイノベーションを日本全体のエコシステム化に繋げ、ひいては海外との連携にも繋げていく、そういう役割を担っていきたいと思っています。

イノベーションが壁を壊し新たな人材・価値観を育む

ー 今後地方のイノベーションを進めるうえで、課題になっていると思うものはありますか?

広島・竹原拠点での東京のスタートアップと地元関係者を交えての議論風景

地方でイノベーションエコシステムを作るためには、地方から突出した人材を輩出できるかが非常に重要です。実際に、スタートアップ企業は地方出身者が多いと感じています。

しかし、イノベーションを通じ新しい価値観を生み出そうとすると、世間から異端児扱いされてしまい、評価されていないと感じるのです。この壁が地方発のイノベーションを阻む課題となっていて、私はその壁を取り払いたいと思っています。

親が放蕩息子に対して「今度こそは…」と想いお金を与え続けても好転しないのと同じで、受動的にお金や支援を与えられ続けるだけでは地方創生に向けた変革には繋がっていない現実があります。

「一身独立して一国独立す」という言葉あるように、自分達から独立心をもって変わる、という主体的なマインドを持てなければ本質的な「地方創生」にはならないのです。

今取り組んでいる広島のプロジェクトはまさに、壁にぶつかっている若者にも新たな価値観を与えるきっかけになると思っています。

地方から大都市へと発信して評価を得ていく。それをモチベーションに、地方から新たな価値観とイノベーションが生まれることを期待しています。


ー 今後さらに取り組んでいきたいことはありますか?

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今推進している高専起業家プログラムでは、ほとんどの学校が地方にある高専の出身者を生かして、起業家人材の育成にも取り組んでいく予定です

まさに、当事者のみならず地域社会の意識も変えていけることができるおもしろいチャレンジだと思っています。

現状をいきなり変えるのは難しいと思いますが、粘り強く変えていくべきところを変えていく。そのために一つ一つの仕事を緻密かつ大胆に取り組んでいくつもりです。

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